WEB標準化
標準化の流れ
サイトの作り方を標準化しようという動きは案外古くからあります。主に「W3C(World Wide Web Consortium)」によって、ネット上の仕様(方向性や表示上のルール)が決められています。ブラウザを作るメーカーとサイトを作るデザイナーが同じルールに従うのは当たり前のことですが、浸透してきたのは割と最近です。
実際に行うこと
以前は、文章としての「テキスト情報」と装飾としての「デザイン」が一つのファイルに記述されていたため、ブラウザによっては意図通り表示されず、一番重要な「テキスト情報」が見えなくなることもよくありました。
そこで下記のような作業を行います。
- まずは情報の整理。
サイトの目的などを踏まえ、本当に伝えたい情報を整理します。この時点では、どうデザインするかは横に置きます。 - テキスト情報を正しく記述する。
正しいHTMLのルールに従い、情報を記述(マークアップ)していきます。これによって人だけでなく、機械にとっても正確に情報が読み取れるようになります。 - テキスト情報とは独立した形でデザインする。
テキスト情報(HTMLファイル)とデザイン(CSSファイル)を分けてページを作っていきます。これにより、見る側は、デザインを切り離し、テキスト情報だけを選択できるようになります。「デザイン」は単により良く見せるための道具になります。
標準化のメリット
こうした標準化は、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)にもメリットがあります。検索エンジンにとってデザインは必要ありません。テキスト情報とデザインが切り分けられることで、検索エンジンは「テキスト情報」だけを取り出しやすくなります。
また障害者や高齢者にとって、情報の順序や文字の大きさがとても大切な要素となります。テキスト情報とデザインの分離を心がけることで、こうした点も自然と考慮され、誰にでもアクセスしやすいサイトになります。
携帯電話からの利用にもメリットがあります。携帯での閲覧では無意味な画像にも料金がかかりますが、標準化されているサイトなら画像を読み込まずに情報を受け取ることが可能です。
標準化のデメリットと対策
ブラウザ「Firefox」「Safari」などはW3Cの標準化ルールに従う形で作られていますが、現在かなりのシェアを持つ「Internet Explorer」は対応が十分ではありません。この点が標準化の最大のデメリットです。ただ現バージョンの「Internet Explorer 8」では大きく改善されているので、このデメリットも次第になくなっていくと思います。
また古いブラウザはWEB標準という概念が希薄です。そのため全てのブラウザで同じように表示するというのはやはり現実的ではありません。かといって全ての人に新しいブラウザを薦めることもできません。
そのため、現在では、正しい「テキスト情報」の取得を優先し旧ブラウザでは「デザイン」を隠すという手法がとられます。大手企業サイトでも「標準化」を理解し、こうした形を取るようになっています。
標準化には賛否もあります。実際、標準化してもしなくても、Googleの検索結果にはしっかり表示されますし、表面的には問題のないサイトも多くあります。標準化だけに作業工数やコストをかけるべきではないかもしれません。
ただ標準化には、情報を整理し、デザインと分離するというプロセスにこそ意味があるように思います。
XHTMLからHTML5へ
これまでのWEB標準は、「XHTML1.0」という言語で記述していました。今現在、世の中のほとんどのサイトはXHTML1.0です。
そしてこれからは「HTML5」への流れができてきました。このサイトも既にHTML5へ移行しています。Googleのトップページなども移行済みです。
この違いについては、別途記事を書きたいと思いますが、例えば、誰が記述しても文章構造が見分けやすくなっていたり、動画などのコンテンツを提供しやすくなっています。個人的には、よりWEB標準としての意味合いがはっきりして、曖昧さがなっているという印象です。何年後かわかりませんが、いずれは全てのサイトがHTML5になっていくと思います。
ただ今はまだ、正式な勧告(仕様のFIX)がされていませんし、旧ブラウザへの対応をどうするかなど問題も多々あります。単に将来性があるからという理由だけでは、HTML5で作成するメリットは今のところ少ないように思います。
当面は「HTML5」への移行を考慮しながら「XHTML」にて制作するという形がベストだと思います(長谷川へのご依頼には、そのように対応いたします)。