写真素材は、サイトのクオリティに直結するためとても重要なものです。ここではホームページ制作をご依頼いただく際の写真の準備の方法や実際の撮影についてまとめます。
写真素材を用意するための3つの選択肢
写真は必ずしも自ら撮影する必要はありません。下記のような選択肢があります。
- プロのカメラマンに依頼する
難易度:中/コスト:大/品質:高 - 著作権フリー素材を利用する
難易度:小/コスト:中/品質:中 - 自ら撮影する
難易度:大/コスト:中/品質:中〜高
それぞれメリットデメリットがありますが、クオリティの高いサイト制作を目指す場合、一定の難易度とコストは必要です。以下それぞれの準備の仕方をまとめます。
1、プロのカメラマンに依頼する
店舗の内装や外観、スタッフの写真や社内風景などはできればカメラマンへの依頼をご検討ください。ほぼクオリティは保証されます。
ショップサイトなどで数が多い商品撮影などは、商品の実物を配送しまとめてプロが撮影するという方法もあります。
また、よいカメラマンを見つけるための時間と労力も必要になります。やはりカメラマンにも撮影する内容によって得意不得意があるので、サイトなど実際の写真を確認しながら検討してください。
依頼時にまとめておくこと
- 写真の使用目的(サイト以外にもパンフレットに使用するなど)
- 使用イメージ(サイト上での使用例など)
- 必要な解像度やフォーマット(現像前のRAWデータの納品は不要など)
- 希望納期(公開ではなく、制作のために必要になる日程)
2、著作権フリー素材を利用する
著作権フリー素材とは
著作権フリーという素材があります。この「フリー」は無料という意味ではなく、料金の支払いなど一定の条件で著作権が放棄されるものを指します。厳密には細かなルールがあるため、それぞれの規約などよくご確認ください。
著作権フリー素材のデメリット
これらのサービスでは、テキスト検索の他、近いイメージの画像を使った画像検索により欲しい写真やイラストを絞り込むことができます。ただあまりにも数が多いため、相応しいものを見つけるために相当な時間と労力が必要になります。
また購入することで誰もが利用できるため、たとえばライバルのサイトで同じ写真が利用されるという可能性もあります。回避方法としては、唯一のメイン素材として、その素材に頼り切ったデザインにはしないというものです。数点の素材をスライドさせたり、写真よりもタイポグラフィーを軸とするようなデザインであれば、仮に他で同じ素材が使用されても印象の差別化を行うことができます。
素材購入のタイミング
依頼の段階で購入は必要ありません。こうしたサービスでは仮の画像(カンプデータ)をダウンロードできるようになっていますので、一度これを利用しデザインすることで完成イメージを確認できます。デザインやその印象が合わないということも十分にありうるため、予め購入していると無駄になってしまいます。実際の購入はサイトデザイン作業の後、決定した素材だけで構いません。
写真素材の準備方法としては、一番労力が少なく、効果的な選択肢だと思います。サイト制作にて著作権フリー素材の利用をご検討の方は、ご依頼の前にできるだけこの素材探しに時間を割いてみてください。
3、自ら撮影する
自ら写真を撮影する場合は、機材と撮影に関する一定の知識が必要になります。ここでは最低限必要と思われる知識だけまとめてみます。
機材選びについて
カメラの選び方は、カメラの機能だけでなく、自分が日々使いやすいかどうかサイズ感も含めて検討する必要があります。商品写真などの場合は、スマホだけでも十分な場合もあると思います。
これからカメラを購入するという場合、機能面については以下の点を参考にしてください。
- 「撮像素子」は大きいものとします(APS-Cかフルサイズが理想)
- レンズの明るさを示す「F値」はF2.8以下(できれば2.0以下)
- 広く撮れる50mm以下の「広角レンズ」が無難です(用途に応じてズームを検討)
ここでは写真に特化していますが、もし動画も必要という場合はそれも踏まえて検討が必要です。
覚えておくと便利な撮影方法
カメラやスマホを用意したら、下記のような撮影方法に慣れておくとよいと思います。
- 背景をぼかす方法とぼかさない方法を区別する
- 光の方向や量をコントロールする
- 天候などを踏まえた「露出」
- カーテン、レフ板など道具の使い方
- ホワイトバランスにより正しい白を表現する
- 広角レンズの場合、周囲がどのように歪むかを確認する
カメラは一度設定したらずっとそのままではありません。撮影の目的やその日の天気や場所によって設定を変える必要があります。
ホームページにふさわしい写真
完成度の高い写真と、ホームページにふさわしい素材は少し違います。特にトップページなどで使用する写真を撮影する際は下記の点に注意してみてください。
- 撮影時点で構図は決めない
素材としての写真は撮影時に構図を完成させるとかえって使いづらい場合があります。撮影した写真で完成ではなく、その後のデザインによってホームページは完成します。そのため一枚の写真として完成した構図とするよりも、少し手前に引いて広く撮影すると、デザインの際にトリミング(一部分を切り抜くこと)ができるようになり、使いやすい素材になります。周りに無駄なものが写っていてもほとんどの場合画像処理で対処できます。 - 2つの方法で撮影する
常に同じように撮影するのではなく「イメージ的な写真」と「資料的な写真」で撮影方法を分けるようにしてください。
トップページや会社概要、商品ページの冒頭に配置する写真は、サイトのクオリティを決定します。見せたいものを見せ、背景は綺麗にぼかすなどすると雰囲気のよい写真になります。
一方、商品の細部を確認するため、あるいは後々のトラブルを防ぐため実際の形や色を重視する場合は、全てにピントがあっている資料的な写真も必要です。迷う場合はどちらも撮影しましょう。 - 余白を作る
ホームページで必要な写真素材は、キャッチコピーなど文字情報を重ねることが多くなります。そうした文字情報を配置しやすいように「空」や「壁」を大きく取ったり背景をぼかしたりして、文字情報が無理なく重ねられるようにしておくとデザインのクオリティが確実に上がります。これは「1」と関連しますが、構図を写したい対象だけにせず、デザインを意識して周りの空間も含めるように撮影してみてください。
上にも記載した通り、最も労力が少ないのは「2、著作権フリー素材を利用する」だと思いますが、目的や、かけられる工数と予算を踏まえて検討してみてください。ただご依頼の際にどうしても迷うという場合は、遠慮なくご相談ください。こちらでも検討いたします。