様々な業態で今も大変な状況が続いていると思います。既に可能な対策は取られていると思いますが、中にはサイト作り(ホームページ作り)にまだ手がつけられていないという方もいるかもしれません。普段から関わっている作り手として、失敗しづらいおすすめの方法を考えてみました。
最低限のサイトを目指す
もしかすると手がつけられていないのは理想のサイトがあるからかもしれません。ただ急ぐ場合は一旦それを諦め、段階的に考えた方がよいと思います。まずはここで紹介する方法で一度作成し、将来的に理想の形にリニューアルしていくという形です。
そのためまずは、以下のような方針で最低限のサイトを目指します。
- 必要なものだけにコストをかける
- デザインしない
- 自ら対応する
最低限何をすべきで、また何をしなくてよいのかという点をまとめていきます。
かけるコストはドメインのみ
サイトは全く費用をかけずに作成することもできます。
ただ将来を考えると「ドメイン」の取得はどうしても必要だと思います。
ドメインというのはURLが「https://example.com/aboutus/」となっている場合「example.com」の部分です。インターネット上の「住所」のようなもので、自由に名前をつけられます。ただし早いもの勝ちなので、欲しいドメインが既に取られている場合は他の名前を考えることになります。料金は年間で数千円ほどです。
参考)ドメイン名の付け方のコツ
- 将来ずっと使うことを想定
- 会社名、ブランド名そのままが理想
- 日本語ドメインは避ける
- 長すぎない
- 無理に短くしない・省略しない
- ハイフンなど記号は極力使わない
- ピリオドの後は意味があり、料金も変わるためよく検討
- .jp:個人法人問わず日本のサイト
- .co.jp:法人のみ、B2Bなど企業というスタンスが重要な場合
- .com:料金を安くしたい場合
必ずドメイン管理会社から購入する
ドメインを取得した後は、サイトの置き場所となる「サーバ」が必要になります(詳しくは後で紹介します)。ドメインとサーバを繋ぐことで、利用者がサイトを閲覧できるようになります。
- 利用者
- ドメイン(=URL・住所のようなもの)
- サーバ(=サイトの置き場所)
- サイト
ドメインを持つメリットは、もし将来サーバを移動しても利用者が同じURLでアクセスできるという点です。利用するサーバをいつでも使い捨てられるようになります。
ただ一つ注意点として、サーバ会社がドメインをプレゼントしてくれる場合があります。これを利用してしまうと、サーバの使い捨てができなくなることがあるため、必ず独立したドメイン管理会社から購入してください。
ドメインの購入はどの管理会社でも大きな違いはありません。比較的管理画面などがわかりやすい「ムームードメイン」などでよいと思います。
特にカラーミーショップの利用を考えている場合はムームードメインにしておくと便利です。
メールアドレスの利用は見送る
購入したドメインを使ってメールアドレスを作ることができます。
ただメール用のサーバの取得や管理は、初めての場合少しハードルが高いかもしれません。まずは無理をせず「Gmail」などの利用を検討してみてください。メールサービスの中ではGmailが一番おすすめです。
独自ドメインのメールアドレスは後からゆっくり対応する形でよいと思います。
デザインは規定のものを利用
理想のデザインにしたいという気持ちはここでは一旦抑え、サービスが用意する規定のデザインを利用します。後述するサービスを使えば、規定のデザインでも十分にきれいなデザインになります。
その中でロゴ画像や写真素材をどのように配置するかをじっくり検討します。
人的リソースは必要
コストをかけないとはいえ、ご自身あるいはスタッフの人的リソース(人件費)は必要です。
またおそらくその工数はサイトを作ることよりも運用に傾けることになります。記事の更新やショップの運営など公開してからの方が大変です。
また技術的な知識はほとんど必要ありませんが、利用するサービスの仕組みは理解する必要があります。ここでご紹介するサービスはどれもブラウザ上で操作でき、一般の方でも把握しやすくなっています。
ショップサイトを作る場合
おすすめは「BASE」というサービスです。シンプルなデザインで手早く設置できます。独自ドメインの利用も無料。暗号化もされます。ただサービス内容は変化することがあるため、機能一覧ページなど随時ご確認ください。
通常ショップサイトのご依頼をいただく場合は、自由度があり機能が充実した「カラーミーショップ」を提案しますが、基本料などコストもかかり、少し複雑に感じられるように思います。BASEでは販売数が伸びてくると手数料など負担になってくるので、軌道に乗ってからカラーミーショップで作り直すことも可能です。ドメインさえあればいつでも使い捨てできます。
ショップサイトを始める際の注意点
- 販売・決済手数料などがあるため完全に無料ではありません
- 決済方法にはできるだけカード決済を含める
- 配送方法や送料は購入者が重視しているため慎重に検討
- 混乱を避けるためBASEロゴの非表示(有料)がおすすめ
通常のサイトを作る場合
企業サイトや飲食のサイトは「Ameba Ownd」が便利です。始めての方でも自由に作成できると思います。こちらも独自ドメインの設置、暗号化が無料です(ただし変更がありうるため随時サイト内の説明をご確認ください)。
特に注意点はありませんが、有料のプレミアムプランとすることで Ameba Ownd のヘッダなど非表示にできます。利用者の混乱がないよう外しておく方がよいと思います。
作り方のコツとしては、利用者が何をしたら成功なのか、というゴールをイメージすることです。ショップであれば「注文」。通常のサイトであれば、「お問い合わせ」や「来店」がゴールです。文章やリンクの配置(順番)でうまくゴールに誘導するように構成を考えてみてください。
公開後の運用が最も重要
サイトの宣伝はかなり苦労すると思ってください。初めてのサイトではほとんど手応えのない日々が続きます。できることを以下にまとめますが、お客様に必要な情報をしっかり伝えていくようにしてください。
- 周囲にサイトを立ち上げたことを実際に伝える(名刺・チラシなど)
- 各ページ内でしっかりと説明文を書く
コツとしては雰囲気を言葉にするのではなく、検索される具体的な言葉を意識して説明を書きます - お客様のためになる重要なページを増やす
- Google Mapsに表示される情報(Googleマイビジネス)や食べログなどへの登録
- できれば並行してSNSを開始。サイトと相互にリンクする
また将来サイトサービスを変更できるように、アップした画像や文章はパソコンの中から削除せず保管しておいてください。サーバにアップした写真は縮小されることがあるため、将来移行する際にオリジナルデータが再度必要になります。
サイトを公開し、お問い合わせのメールや商品の注文が入れば、そこで一つハードルを越えたことになります。後は更新しながら改善を繰り返していくだけです。上記のような最低限のサイトでも十分にそうした運用が可能だと思います。
その後もしサイトをきちんと作り直したくなったら、いつでもご相談ください!
コスト面がネックになっている場合、今は国や自治体の支援策としてサイト制作に利用できる補助金などもあるようです。申請などは大変かと思いますが一度ご確認ください。